| 中川: |
日本の福祉が素晴らしいというのは、知っていますか? |
| 楊: |
はい。例えば、国民健康保険とかでしょう?中国にはありません。経済の発展は、まだそこまで至らないんです。 |
| 中川: |
要するに、個人個人から(国民保険料を)徴収できない? |
| 楊: |
そうですね、例えば田舎の場合は、絶対払えません。そして、特に田舎の人は、病気にかかっても間単に病院に行かないです。 |
| 中川: |
それは、遠いから?近くに、お医者さんがいない? |
| 楊: |
田舎のお医者さんの技術も、あんまり信用できませんし。 |
| 中川: |
日本も昔はそうだったんですよね。 |
| 楊: |
他方では、お金がすごくかかりますので。 |
| 中川: |
最近の医療制度はどうですか?もうだいぶ豊かになってきているから、上海とか北京とかそういったところでは、ある程度のお金を持った人は良い治療を受けようと思った時、どういう病院を選ぶのか、また、個人の病院があるのかどうか、そういったことを教えて下さい。 |
| 楊: |
個人経営の高級な病院もできてきました。芸能人は子供ができたら、2万ドルかけて高級病院に入って子供を出産したりします。 |
| 中川: |
高級病院とは、海外に留学したことのある先生がいる病院に入るということですか? |
| 楊: |
例えば外国人の開いた病院とか。 |
| 中川: |
中国の先生が、アメリカ人の先生を雇う。確かに、そういう病院には行こうと思うでしょうね。 |
| 楊: |
輸入設備、医療機器もそろっていますから。中国だけでそれをやれるには、大変な時間がかかると思います。技術の問題だけではないです。政治の問題も、法律の問題もありますので。 |
| 中川: |
楊さんが勉強しようとしている、医療紛争というのはありますか?中国でお医者さんに対して裁判とかできますか? |
| 楊: |
できます。昔、私は患者の立場に立ってこの研究をしようと考えていましたけれど、でも、勉強すればするほど、お医者さんの辛さがよくわかりました。やっぱり人の命を預かる仕事は本当に大変ですよ。もし、本当に患者さんが治らなくて死んだ場合にも、あまり医者先生のことを責めすぎない方がいいと思います。先生も力を尽くして患者を助けようと努力していると思いますから。お姉さんを見てそう思いました。 |
| 中川: |
私たちの世代のお医者さんたちが努力しているということを感じるてくれて嬉しいです。60とか70代の先生たちは今でも権威を持っているわけで、病院長とかになっていますから、彼らの言うことを聞かないといけないでしょ、大きな病院であればあるほど。でも、40代半ばとか、50代の先生とかは、ぼろぼろになりながら患者さんのご家族と会って、時には文句を言われたりしていますけど、上の先生たちは、そういう現場に出てこないですからね。お医者さんたちの間でも意見は分かれていると思います。 |
| 楊: |
そうですね。 |
| 中川: |
で、やはりそういうお医者さんを考える、お医者さんを助けるシステムに(楊さんに)気づいてもらえたというのは、私はとっても嬉しいです。患者さんの権利を守るというのはもちろん大事です。最優先ですけど、頑張っているお医者さんのやる気を無くすようなシステムはあってはいけないと思います。 |
| 楊: |
先生の努力を否定してはいけないです。 |
| 中川: |
ここまではやってくれたからありがとう。仕方なかったね、と家族の方々と良いコミュニケーションが取れるような医療の環境を作っていくことが、私は大事だと思います。 |
| 楊: |
そして、マスコミとも深い関係があります。マスコミがどういうふうに、この、例えば医療事故を伝えるか、それによって効果も違います。 |
| 中川: |
違いますね。日本は一時的にお医者さんをバッシング、非難した時期があったんですけど、その後です。急に、妊娠・出産を担当するお医者さんたちがいなくなったのは。 |
| 楊: |
はあ・・。 |
| 中川: |
だから、マスコミの影響は確かに大きいですね。情報を鵜呑みにしない、自分で調べてみる。そんな姿勢も大切ですね。 |
| 楊: |
客観的に評価した方がいいです。 |