| 中川: |
韓国の教育のシステムって知ってました? |
| 楊: |
いいえ。まったく知りません。 |
| 中川: |
韓国では塾のこと、「学院」っていうんですけど。例えば、資格の試験とかを受けるために、客室乗務員になるため、公務員になるため、学院に行くのが当たり前!というのが韓国なんですね。中国で「学院」ってあります? |
| 楊: |
あります!例えば、アメリカに留学するために、TOEFLの試験が必要じゃないですか?で、TOEFLの試験指導専門の塾とかあります。 |
| 中川: |
じゃあ、大学に入るための塾というのはあるんですか? |
| 楊: |
それはありません。まだありません。 |
| 中川: |
でも、これからできるんじゃないかな? |
| 楊: |
あ!でも、この間、日本のテレビ番組で見たんですけど、北京に一件できました。 |
| 中川: |
たった一件?! |
| 楊: |
たった一件です。でも結構有名で。 |
| 中川: |
ふ〜ん、じゃあそこにいた人は、北京大を目指すとか? |
| 楊: |
北京大学の、医学部を目指すとか。 |
| 中川: |
精華大とかは? |
| 楊: |
それは普通に勉強していれば(入れるだろうから)大丈夫です。もし自分で、頑張れればの話しですが。 |
| 中川: |
昔の日本みたいに、頭がよくってお金持ちのおうちの子がいい大学に行くんだよ、という感じですか? |
| 楊: |
そうですね。それが普通です。 |
| 中川: |
日本で、ゆとり教育の時代に子供を育てた人に聞いたんですけど、「運動会の時、一等をつけてはいけない」。そういう風潮がありました。私はそれはとってもおかしいと思うんです。運動会でかけっこをしますよ ね?それで、1番、2番、3番って順位を出ますよね?それは当たり前でしょ?でも「ビリの子がかわいそうだから手をつないで走りましょう」という学校が出てきたのです・・。 |
| 楊: |
それは競争の・・・、なんと言うか・・・共産主義ですね。それでは、みんな積極的にやりません。やる気を失います。 |
| 中川: |
もともと持っている能力とか個性とかに違いがあるのって、自然なことですよね。勉強にはそれほど興味がない子でも、体を動かすことが好きで、運動会とかで1番、2 番になることで、自分に自信をつける子がいるんです。でも、このゆとり教育では、そういった子のチャンスを奪っていると私は思ったんですよ 。 |
| 楊: |
私もそう思います。 |
| 中川: |
だから、そういうのは公平とは言わないでしょ、と私は思うんです。 |
| 楊: |
はい、それは一番の不公平です。 |
| 中川: |
またちょっと話が変わりますけれども、中国の女性のなりたい職業、憧れの職業は何でしょう? |
| 楊: |
日本と比べると、中国の女性の考えというのは、企業のOLでもいいです。 OLとして活躍できたらそれでいい。 |
| 中川: |
昔は国営企業ばかりだった時には、女性は入れなかったんですか? |
| 楊: |
入れるんですけど、地位が低いです。リーダーになれない。 |
| 中川: | でも、日本に比べて(女性)リーダーの数は多いと思いますけど。 |
| 楊: |
この十年来は増えてきていて。そして、どんどん男性の地位を越えるくらいになっています。 |
| 中川: |
それは、留学を経験した女性だけですか? |
| 楊: |
そうではありません。やっぱり能力によって。 |
| 中川: |
ふ〜ん、その能力の評価というは、今の日本では残念ながらできていないことです。そのせいで、若い子達はやる気を失っています。(中国では)どうやって評価しているんでしょう?例えば、楊さんと私が一緒に仕事をする同僚だとして、上司が「楊さん、あなたはとてもよくできました。だから 出世させます」と言った時に、私は「えっ、私の方が楊さんより優秀だと思うのに、何で私は出世しないんですか?」と思ったとします。そんな時、トラブルは起きたりしませんか? |
| 楊: |
あんまり起きません。文句があっても、言いません。 |
| 中川: |
言わない!?ほんとに? |
| 楊: |
次のチャンスを待って、頑張ります。 |
| 中川: |
転職はしやすいですか? |
| 楊: |
しやすいです。とってもしやすいです。 |
| 中川: |
それが、トラブルが起こりにくい一つの理由かもしれませんね。日本はなかなか転職しにくいんですよ。 |
| 楊: |
日本は昔から年功序列ですから・・・。 |
| 中川: |
もし、私がそういった評価に不満を持つのであれば、他の会社にそれに応じるポストがあれば、さっと辞めて行ってしまう。それが中国でのやり方、と考えていいですか? |
| 楊: |
はい。 |
| 中川: |
わかりました。転職がしやすいという点が、個人にとってはいい方向に働いている。でも大変ですね。そうすると、自分の能力と見合った対価やポジションを獲得するまで、ずっと頑張らないといけない!? |
| 楊: |
それは、会社にとっても大変なことです。せっかく人材を育てて、ようやく一人前として役に立つようになっても、結局別の会社に行ってしまうとなると・・。 |
| 中川: |
だから、工場が二つあった時に、あっちの工場の方が(賃金が)1円だけ高いらしいといった場合、文句を言わずにさっとやめてしまうので、上の人たちは困る。それなら言ってくれれば、僕のところの賃金を5円上げたのに・・。というのが、日本から進出した企業の考えらしいんですけど。その性格は変わりそうにないですか? |
| 楊: |
そうですね。実は転勤(転職)は、中国人の場合は、お金の問題もありますが、人間関係の問題の方が大きいのです。例えば、上司とあまり合わないとか。意見が食い違ったとか。そういう理由で転職する人が多い。 |
| 中川: |
じゃあ、きちんと話し合いができていれば、そんなに問題はない? |
| 楊: |
でも、中国人の女性は絶対的な権力を持って「私はこういったら、言い返す」とか、そういうことが多いですので。 |
| 中川: |
ああ、本当に。女性が強いのですね(苦笑)。 |
| 楊: |
権威は絶対だと、主張しますので。 |
| 中川: |
自分の面子も潰されたくはないけど、相手の面子も壊してはいけない、そういうのが中国の人たち? |
| 楊: |
それは部下の考えです。女性は自分の面子だけで発言することが多いです。 |